- 2014.09.08 Monday
クリエイターとスティーブ・ジョブズ(次の会場が会場だけに、ジョブズ氏を振り返る、その3)
pixar 032 / dadgeek
気づいたら8日ということで、明日の夜中には、もうAppleのイベントですね。
そんなわけで、以前書いたジョブズ氏関係の記事をこちらのブログにも載せるシリーズ第3弾です。
Tue.03.04.2014 ピクサーとiTunes
赤字続きでも自己資金を何十億も投資し続けて、ラセター氏のアニメを世に出して物凄い成功したという実績なかったら、その後の、iTunes&iPod→iPhoneの流れも実際程には無かっただろうなと。 iTunesに他の会社からコンテンツを配信してもらうための交渉の時に、この実績なかったら、実際程うまくいかなかったかもしれないなと。
ジョブズ氏の自伝本の1巻にも2巻にも、一般的に、エンジニアとクリエイター、シリコンバレーとハリウッドがお互いに相互無理解、評価してない、みたいな現実あったと書かれてますし、それをジョブズ氏もピクサーで実感したみたいですね。
いくらジョブズ氏の音楽好きは有名でも、それだけで、各音楽会社がiTunesの配信に賛同したかは結構微妙かもしれないですよね。当時音楽の違法コピーに音楽業界が悩まされたという話は有名ですけど、だからといって、それに便乗したいだけと悪く受け取られてもおかしくないわけで。元々エンジニアとクリエイター、シリコンバレーとハリウッドはお互いに評価してない、という関係性だったわけですから。
二巻に書かれている内容によると、ソニーが一番抵抗したみたいですね。Appleにとっては、販売する音楽の売上のマージンを取れるだけでなく、ipodの売上もMacの売上も上がる話なんだから、音楽会社にもipod売れる度に一定の料金払えと主張してたらしいですけど、実際は、ソニー以外は、Appleの作ったiTunes Storeの出来の良さに好感触でソニーと同調しなかったみたいです。
ジョブズ氏が過去にピクサーでコンテンツにそれだけ私財を投じてまで成功させた実績は、音楽会社だけでなく、特に各アーティスト達との交渉の時にも相当に大きかったというのは想像に難くないなと思います。全てのアーティストが、コンテンツの価値が分かってるとは思えない単なる他のコンピュータ会社の社長とスムーズに交渉まとめるとは思えないですし。変なお金儲けに利用されたくないアーティストとかって結構いるでしょうし。そうじゃないと産みだせないものがあるでしょうし。iTunesでのバラ売りの件でもやはり難色示したミュージシャンはいたそうですし。
それでも、二巻の内容によると、当時のジョブズ氏の情熱は凄くて、彼以外はこんな交渉まとめることは不可能だと思った、という証言も出てきます。
その情熱も、ピクサーの会長としての実績あった分、よりアーティスト側にも真摯に受け止めらたでしょうし、そういう意味でもピクサーでの実話は相当に凄いなと、驚きました。
Apple設立当初のウォズニアック氏にせよ、ラセター氏にせよ、凄い才能を持つ個人との出会いがあって、その人を活躍させる、というのも、ジョブズ氏の凄い才能かなと思いましたね。
実際に、ディズニーはラセター氏をクビにしてたわけですし。 二巻から出てくるジョナサンアイブ氏なんかについても同様で。彼はジョブズ氏復帰前にAppleを辞めようと思ってたみたいですし。
自伝本読んでると、ジョブズ氏の負の側面も分かりやすく出てくるんですけど、少なくともこの点については、無難な人、じゃできなかったことかもしれないな、と思いました。
ジョブズ氏はピクサーのCEOとして、ディズニーの前CEOと色々揉めて大変だったようですけど、その後ディズニーのCEOが変わって、一転ピクサーに有利な条件でディズニーに買収させて、それによって、今のディズニーの「アナと雪の女王」の大ヒットにも続いてるわけですよね。
クリス・バック & ジェニファー・リー
価格: 2,000円
posted with sticky on 2014.9.8
ディズニーとしては、当初、ピクサー映画のヒットを見てラセター氏個人をディズニーに引き戻そうとしたのを、ラセター氏がジョブズ氏に恩を感じてそれを断った、というのも、ピクサーのクリエイターがいかに当時ジョブズ氏に感謝していたかということの表れですよね。
ピクサーでのジョブズの顔とは? 『メリダとおそろしの森』インタビュー 日経トレンディネット
このサイト、MacのSafariだと表示がおかしくて見づらいです、、、、。EvernoteやPocketのMacアプリでのリーディングモードでは普通に見れます。
ピクサーのクリエイターには自由に任せ、クリエイターからも尊敬されていたことが伝わってきます。ジョブズ氏の最期の頃に作られた作品のインタビューなんで、改めてこの記事読んで、ちょっと涙でました。
Pixar
ジャンル: Kids & Family
リリース日: 2012-07-21
価格: 2,000円
posted with sticky on 2014.9.8
ピクサーのジョン・ラセターによるスティーブ・ジョブズについての感動的なスピーチ(ディズニー・レジェンド受賞) オーケーマック
ジョブズが設計に関わったピクサーのビルが「スティーブ・ジョブズ・ビル」に改名 | トブ iPhone
自伝本の2巻で、ジョブズ氏自身の発言として、クリエイターとエンジニアの相互無理解について、エンジニアはクリエイター側の直感とかを信じないし、ソファでボケっとしてるようなイメージがあってクリエイターにも規律が必要とされていてることを理解してない、というような発言がありましたけど、やはり改めて、IT企業のトップとして、論理的なエンジニアの上に立ちながら、ピクサーのトップとして私財を出してまでクリエイター達をある意味守ってもきたわけで、論理と感性、両面を高いレベルで兼ね備えた希有な人材だったんでしょうね。
ポール・セン
価格: 2,000円
posted with sticky on 2014.9.8